自転車レースの前日となり、遂にスーパーサイヤ人と会う日がやって来ました。久々の再会です。
自転車レースというのは、マウテンバイクをやられている方ならご存知の方も多いかと思いますが、長野県の王滝村で行われる、「セルフディスカバリー王滝」という、御嶽山麓のジープロードを走る、国内屈指のマラソンレースです。100km、42km、20km(春のみ)の3クラスがあり、今回は42kmクラスへの参加です。
関東に住む彼は、輪行で一度我が家まで来てもらってから、一緒に車で行くという流れです。最寄りの駅まで輪行してくると思いきや、新幹線を降りてから自走での登場です。
元気そうな彼を見てまずは一安心です。しかし、次の瞬間彼のふくらはぎに目を奪われます。
「なんだこの筋肉は?!」
私の頭の中では、海外での単身駐在員の不規則な生活で、すっかり栄養を蓄えてプニッとした姿ばかりを想像していました。それがどうでしょう。明らかに馬力の出そうなアスリートのふくらはぎ筋ではありませんか。
久々の再開でしたが、近況報告などは程々に、軽く自転車を整備して、車に荷物を積み込んで早速出発します。
車内では、今日までの空白期間の出来事や当時の思い出話に花が咲きます。その後、道も半ばを過ぎたあたりでしょうか。彼の体が予想に反して絞られていたことに対して、私が話を振ると、彼は言いました。
「グルテンフリーって知ってる?」
あまりピンと来ていなかった私でしたが、小麦をほとんど食べていないこと、もちろんラーメンなんかも年単位で食べていないこと、ラーメンを食べなくてもそんなに食べたいと思わなくなったこと、駐在生活から家に帰ったら奥さんからある本を勧められたこと、なんかを話してくれました。
まず私の頭をよぎった事は、「なんかの宗教にハマってしまったか?」という心配でした。しかし、色々質問してみても、一向に勧誘の話は出てきませんし、それどころか、理論的にも納得出来る話が多く、何よりも彼の体型がそれを物語っています。
駐在から帰国した彼の健康を一番気にしていたのは、やはり彼の奥さんだったことでしょう。無理もありません。一家の大黒柱がメタボ→血管詰まる→倒れる、なんてことなったらご家族はたまったもんじゃありません。
彼の奥さんは看護師ということもあり、健康に対する意識も人一倍高かったことでしょう。帰国してポッチャリと蓄えた彼のために勧めた本というのが、テニス界の王者ジョコビッチのグルテンフリーに関する本です。(この記事の最後にリンクを貼っておきます)
グルテンフリーの実践には、家族の協力が欠かせませんが、幸いにも彼は奥さんの理解のもとで実践することができ、その結果スーパーサイヤ人になることができました(主観)。(ちなみに奥さんはパンが大好きだそうで、子供と奥さんは普通にパンを食べていたそうです・・・(^_^;))
さて、話を自転車レースに戻しましょう。台風が接近する大雨の中、大会は開催されました。42kmコースは、スタート地点まで緩い登り坂を7kmほど登って行くのですが、まずそこで異変に気付きます。
「そんなに元気に走ったらスタート前にバテちゃうよ」級のスピードレンジでぐんぐん走って行きます。それでも彼の勢いは止まらず、結局そのままスタート地点に到着し、少し休んだ後レースに突入します。
しばらくは(私にペースを合わせて)一緒に走っていましたが、程なくして自然と彼が先行していき、次第に私の視界から消えてしまいました。「あのペースで余裕なのか?この後もひたすら登りが続くけど持つのか?」と多少心配しつつ、雨の中それなりに頑張って走り、下り(←雨が痛い)を経て、中間地点のチェックポイントに到達しました。
彼は休憩しながら待っていてくれたのですが、普通にくたびれている私とは対照的に、彼の表情にはまだまだ余裕が残っています。補給食をつまんで、後半戦に入ります。
前半と同じく、後半も、もう一山登って下る、というコースとなっているため、早速長い登りからの再開ですが、彼は元気に立ち漕ぎでグイグイ登っていき、あっという間に私の視界から消えてしまい、半信半疑だった私も目の前の事実を受け入れざるを得ませんでした。
「彼はスーパーサイヤ人になったのだ。」
結局、彼はブレーキトラブルに見舞われ、終盤で私が抜かしたようで、ゴールしたのは私が先だったのですが、もしマシントラブルがなければ、二度と追いつく事はなかったでしょう。
後日、彼から、手紙と共に例の本が送られて来ました。彼の引き締まった見た目だけでなく、そのパフォーマンスを目の当たりにしてしまった私は、その本を読み、2週間のグルテンフリープログラムを実践していくこととなります。
本の内容や、実践の結果は、次回以降の記事にまとめたいと思いますので、宜しければそちらも併せてご覧下さい。
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