ある日、中学入学以来の友人と、一緒に自転車の大会に出ようという話になり、久々に会うことになりました。
もともと彼は水泳部に所属し、普通は車で行くような距離のところも、平気でチャリンコで出かけるようなスポーツマンでした。私たちは、「ケッタマシーンツーリング」と称して、毎年一緒に他県へツーリングに行く仲でした。
そんな彼も社会人となり海外の営業担当部署に配属されます。しばらくするとアフリカに駐在員として赴任し、たまに更新されるFacebookには、現地の珍しい料理の写真と共に、前回よりもふっくらした顔の彼が写っていました。
私も順調に社会人生活を重ねて、ウェスト周りのお肉ミートも着々と成長を遂げている最中でしたから、当然ながら彼には安心感を覚えていましたので、自転車のレースでも、きっと鳴かず飛ばずの結果に、互いに慰め合うのがオチだろうと、なんの疑いもなく想像していました。
しかし、私の想像とは裏腹に、事前連絡のやりとりで彼の口から発せられた言葉は耳を疑う衝撃的なものでした。
「スーパーサイヤ人になった」
「えっ?!」今何と申した?!うんうん、そりゃ自分もなりたいよ、スーパーサイヤ人。ムキムキだし圧倒的に強いし、自転車とか要らなさそうだしね・・・
聞くところによれば、「スーパーサイヤ人になったから、トライアスロンを始めようと思ってる」ということらしく、「トライアスロンを始めて、スーパーサイヤ人みたいになりたい」ではなくて、もうなっちゃったということのようなのです!
もう訳が分からないので、とりあえず集合時間やら持ち物やら必要な連絡を取り合って、当日を待ちました。
(続く)
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